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あまりにも青い、この世界で。

「子ども預かり法」

いつからかそう呼ばれるようになったその制度は、比較的簡単な手続きにより、政府指定の孤児院から子どもを引き取るための法律である。

元々は孤児を少なくするための法案であったが、預かり法が制定されて以来、孤児院へと子どもを預けてしまう若い親が、年々増加する傾向にあった。

 

その預かり法の影響を受けた家庭がここに一つ。

 

幼少時は孤児院にいた陽野太一は、自分を引き取ってくれた育ての親、陽野守と一緒に暮らしている。決して裕福とはいえないが、優しい守との生活には満足していた。

さしあたっての問題はこれからの進路と、友達がいないこと。

 

ごく平凡な悩みを抱えた少年。そのある日のこと。

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